RM(Repetition Maximum)計算機

この記事でわかること
この記事では、トレーニングにおいて重要な指標のひとつである「1RM」について詳しく解説します。
「RMって何?」「なぜ1RMを知る必要があるの?」「どうやって計算するの?」といった疑問に答えるとともに、代表的な計算式やRM換算表、計算における注意点まで網羅的に紹介します。
また、ページ冒頭には1RMを簡単に求められる計算機も用意していますので、ぜひご活用ください。
RMとは?(Repetition Maximum)
RMとは「Repetition Maximum(レペティション・マキシマム)」の略で、ある重量で何回持ち上げられるかを示すトレーニング指標です。
たとえば、100kgを1回だけ持ち上げるのが限界なら「1RM」、80kgを10回挙げられるなら「10RM」と表現します。
このRMという概念を使うことで、トレーニングの強度や目的に応じた重量設定が可能になります。
以下はRMの代表的な例です
1RM | 1回しかできない最大の重量(最大筋力) |
---|---|
5RM | 5回が限界の重量(筋力・筋肥大の中間) |
10RM | 10回が限界の重量(筋肥大〜筋持久力) |
RMを理解することで、「今のトレーニングはどのくらいの強度なのか?」「どんな目的に向いているのか?」といった判断がしやすくなります。
RMを計算する代表的な式
RMは実際に最大重量を測定しなくても、使用重量と回数から推定することができます。
この推定にはいくつかの計算式があり、トレーニング現場や研究で幅広く用いられています。
以下は代表的な計算式です:
式名 | 計算式 | 特徴・用途 |
---|---|---|
Epley式 | 1RM = 重量 × (1 + 0.0333 × 回数) | 高重量・低回数向き。スクワット・デッドリフトなどで多用 |
O’Conner式 | 1RM = 重量 × (1 + 0.025 × 回数) | 中重量・中回数向き。ベンチプレスに多く使われる |
Brzycki式 | 1RM = 重量 ÷ (1.0278 − 0.0278 × 回数) | 中程度の回数で安定。研究・論文での使用例も多い |
Lombardi式 | 1RM = 重量 × 回数0.10 | 比較的高回数向き。数式が少し複雑 |
これらの式はすべて「推定値」を求めるものであり、正確な1RMと完全に一致するとは限りません。目的や使う種目、回数に応じて適切な式を選ぶことが大切です。
本サイトのRM計算機では、O’Conner式(ベンチプレス)とEpley式(スクワット・デッドリフト)を自動的に使い分けています。
種目ごとに係数を使い分ける理由
1RMを推定する際、使用する計算式の係数(回数にかける数値)は、すべての種目で共通というわけではありません。
たとえば、
ベンチプレスではO’Conner式(係数:0.025)
スクワットやデッドリフトではEpley式(係数:0.0333)
がよく使われます。
この違いの背景には、種目ごとの筋活動量、動作の安定性、疲労の蓄積度合いなどがあります。
- ベンチプレス:
主に胸・肩・腕など中〜小筋群が中心で、回数を重ねると出力低下が大きくなる
→ 低めの係数(0.025)が適している - スクワット・デッドリフト:
脚・背中などの大筋群が複数関与し、疲労への耐性が高い
→ より高めの係数(0.0333)が適している
つまり、同じ「5回できた重量」でも、種目によって推定1RMが変わるのは自然なことなのです。
当サイトの1RM計算機では、こうした特性を踏まえて種目ごとに適した計算式を自動的に適用するよう設計されています。
RM換算表(目安早見表)
ここでは、1RMを基準として、各RMが何%程度に相当するかをまとめた目安表を紹介します。
この換算表を使えば、「今使っている重量はどのくらいの強度か」「目的に合っているか」を視覚的に把握することができます。
RM | %1RM(目安) | トレーニングの目的 |
---|---|---|
1RM | 100% | 最大筋力 |
2RM | 95〜97% | 高強度・筋力特化 |
3RM | 92〜94% | 筋力・神経系 |
5RM | 85〜87% | 筋力+筋肥大 |
8RM | 78〜80% | 筋肥大メイン |
10RM | 73〜75% | 筋肥大〜筋持久力 |
12RM | 70%前後 | 筋持久力 |
この数値はあくまで目安であり、トレーニング経験や種目、体調などによって個人差があります。
自分自身の経験と照らし合わせながら、最適な重量設定を探っていくことが大切です。
推定1RMを使用する際の注意点
1RMは非常に便利な指標ですが、「推定」であることを忘れてはいけません。
特に計算式を使った1RMはあくまで目安であり、実際の最大挙上重量とは誤差が生じる可能性があります。
⚠️注意点
- 疲労や体調、フォームの崩れによって正確な回数が測れないことがある
- 高回数になるほど誤差が大きくなりやすい(できれば10回以下の範囲で推定)
- 種目ごとの特性(例:ベンチは崩れやすく、デッドリフトは粘れる)に注意が必要
また、現実的な場面では、2.5kg単位でプレートを扱うことが多いため、計算結果が細かい小数になった場合には四捨五入や切り上げなど、現場に合わせた調整が必要です。
安全第一で無理のない重量設定を行いましょう。
よくある質問
1RM計算の活用まとめ
1RMは、現在の筋力を客観的に数値化できるシンプルかつ強力な指標です。
- RMを理解することで、トレーニング強度の管理がしやすくなる
- 実際に測らなくても推定式を使えば安全に1RMを算出できる
- 種目や目的に応じて最適な係数や式を選ぶのが重要
本サイトで提供している1RM計算機を活用することで、複雑な計算なしで、あなたに合ったトレーニング負荷を簡単に設定することができます。
これからトレーニングを始める方も、記録を見直したい中級者以上の方も、ぜひ1RMをうまく活用して、より安全で効果的なトレーニングを実現しましょう。
RMとあわせて活用したいRPEという考え方
RMは客観的に強度を数値化できる一方で、疲労やコンディションの変化を反映できないという弱点があります。
その日の調子や「あと何回できそうか」といった感覚的な強度を管理するには、RPE(Rate of Perceived Exertion)という指標の併用が非常に有効です。
RPEは主観的な評価ですが、RMと組み合わせることで自分の感覚と数値のズレに気づく手がかりにもなります。
たとえば、「5回×RPE8」で行ったセットの重量が、RM換算で1RMの90%を超えていた場合、実際にはRPE9以上だったのでは?と振り返ることができます。
このように、RMとRPEは互いの弱点を補い合える関係にあり、両方を使うことで、より安全かつ柔軟なトレーニング管理が可能になります。
当サイトでは、RPEから1RMを推定したり、RPE別のトレーニング重量を一覧表示できるRPE計算機も提供しています。こちらもぜひ活用してみてください。


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