バーベルとは

バーベルとは上記のような金属製の棒状の重りのことです。
両側にウエイトプレートを装着することで重量を調整できるようになっています。
バーベルとトレーニングラック・ベンチさえあればBIG3(スクワット・ベンチプレス・デッドリフト)をはじめとした数多くのトレーニング種目が可能となります。
バーベル種目は身体を鍛える上で非常に効率が良く、昔から現在に至るまで不動の主役です。
日本のジム・スポーツクラブでは未だにバーベルを取り扱っていない所もありますが、ホームジムを作るなら絶対に導入することをおすすめします。
バーベルでできる種目
- スクワット ※トレーニングラックと組み合わせて
- ベンチプレス ※トレーニングラック・ベンチと組み合わせて
- デッドリフト
- シュラッグ
- ベントオーバーローイング
- ランジ
- フロントプレス
- クイックリフト各種
- その他多数
バーベルの種類
※画像クリックで詳細に飛べます
スタンダードシャフト | オリンピックシャフト | |
---|---|---|
シャフトの太さ | 28㎜ | 28~29㎜ |
スリーブの太さ | 28㎜ | 50㎜ |
対応プレート | 穴の直径28㎜ | 穴の直径50㎜ |
長さ | 短めのものが多い | 主に220㎝ |
重さ | 10kg前後 | 主に20kg |
耐荷重量 | 低いものが多い | 数百kg |
価格 | 安いものが多い | 数万円~十数万円 |
上記2つはストレートなバーベルですが、その他にもEZバーやヘックスバー、トライセプスバーなど様々な形状のバーベルがあります。
当ページでは最も一般的で使用頻度が多く用途も幅広いストレートなバーベルを解説していきます。
まずはストレートなバーベルを導入し、必要に応じて他のバーベルを追加していくと良いでしょう。
バーベルの各部位の名称

名称 | 部位 |
---|---|
シャフト | 内側の握る部分 |
スリーブ | 外側のウエイトプレートを装着する部分 |
インナーカラー | シャフトとスリーブを仕切る部分 |
ローレット | シャフトの中でもギザギザしている滑り止め部分 |
グリップマーク | グリップ幅の目印になるマーク |
バーベルによってシャフト部分の長さやローレットの位置・滑り止めの強さが違います。
これらは直接的にトレーニングフォームへ影響を与えます。
またスリーブ部分の太さによって、装着できるウエイトプレートの穴の直径が変わります。
スタンダードシャフトの特徴・メリット・デメリット

メリット
- 安価
- 短いものなど長さが様々
デメリット
- 強度が低いものが多い
- 短い物が多くトレーニングラックに合わない場合がある
- 品質が悪いものが多い
スタンダードシャフトは通称「スタシャ」と呼ばれています。
シャフト部分もスリーブ部分も細くなっており、ウエイトプレートもそれに合った穴の直径が小さいプレートを使用します。
安価ですが細いため強度が低いものが多く、シャフト部分が短いためラックによっては使用できない場合があります。
オリンピックシャフトの特徴・メリット・デメリット

メリット
- 用途によって種類が様々
- 強度が高い物が多い
- 高重量のトレーニングが可能
デメリット
- 高価
- 長いものが多く狭い場所では扱いにくい
オリンピックシャフトはスタンダードシャフトと違い、スリーブ部分が太くなっています。
そのためウエイトプレートも穴の直径が大きい物を使用します。
大変高価ですが強度も高く、高重量のトレーニングにも対応可能です。
※安物だと強度が低いものもあるので注意
また横幅が大きいラックでも使用できるので心配いりません。
ただし長さが220㎝と長いため部屋によっては使い勝手が悪い可能性もあります。
※最近は少し短めのショートスリーブのものも出回っています
どちらのバーベルを選べば良いか
バーベルの選び方・チェックポイント
使用用途・タイプ
バーベルを選ぶ際の最も大切なポイントはまず自分がどんな目的でどのようなトレーニングをするかです。
使用方法や目的によって、どのようなバーベルが相応しいかは全然変わってきます。
目的別バーベルの選び方
- パワーリフティング(BIG3重視)
➞硬く撓りにくく強度が高いパワーリフティング用バーベル(29mm) - ウエイトリフティング(クイックリフト重視)
➞撓りもあるが強度も高いウエイトリフティング用バーベル(28mm) - バランス型(色んなトレーニングをやる)
➞中間の多目的バーベル(28.5mm)
同じように見えるバーベルでも実は用途によってタイプが分かれています。
自分の用途に合わないバーベルだと扱いにくいので注意しましょう。
重さ

オリンピックシャフトの場合は基本的に20kgです。
※例外もあるので事前によく確認しましょう
しかしスタンダードシャフトだと重さはまちまちです。
重さが20kgでなくともウエイトプレートやカラーで調節できますが、人によっては面倒だという人もいるでしょう。
面倒だという人は20kgのものが計算が分かりやすくて楽です。
全長

オリンピックシャフトの場合多くは220㎝ですが最近はショートスリーブバーといって180~190㎝程度のものも販売されています。

ショートスリーブバーはプレートを装着するスリーブ部分だけが短くなっており、シャフト部分は220㎝タイプと同等の長さです。

バーベルを使いたいけどホームジム用の部屋が狭くて無理!
という人にはこのようなショートスリーブバーがおすすめです。
ただしバンパープレートのような厚さのあるプレートと組み合わせると装着できる重量が少なくなるので注意しましょう。
かなり重い重量を使用するという人は220㎝の方が良いと思います。
スリーブ間の長さ

スリーブ間の長さは、各部位の長さ(シャフト・インナーカラー・スリーブ)の比率によって違いがあります。
爪先がプレートに付くか付かないかの超ワイドスタンスのスモウデッドリフトをやりたい人はスリーブ間の長さに注意しましょう。
スリーブ間の長さが短長いとスモウデッドリフトのスタンスがその分広くなり、短いとスタンスも狭くなります。

ちなみに国際大会でも使用されるエレイコのバーベルはスリーブ間の長さが短めです。
単純に長ければ良いというわけではなく、どこに合わせて練習するかが重要です。
またスリーブ間の長さ(シャフト+インナーカラー)が長くなるほどスリーブ部分が短くなり、装着できるプレートも少なくなります。
そしてプレートもより外側に装着することになるため、同重量を装着した場合、物理的によりバーベルが撓りやすくなります。
一方、スリーブ間の長さが短いと、スクワット等でラックやセーフティーにぶつかりやすくなってしまうというデメリットもあります。
※ただしこれはプレートの内側にカラーを噛ませることで解決可能です
まとめると、パワーリフターで超ワイドスタンスのスモウデッドリフトをやる人はスリーブ間の距離をどのバーベルに合わせるか決める(世界大会でも使用されるエレイコに合わせるのがおすすめです)。
使用重量がそこまで重くなく、超ワイドスタンスのスモウデッドリフトもやらないという人は気にしなくても良いです。
直径(太さ・硬さ・撓りやすさ・握りやすさ)

シャフトの太さ(直径)は主に28㎜、28.5㎜、29㎜のものがあります。

0.5~1㎜程度で違いがあるの?ほとんど同じでは?
と思われるかもしれませんが、かなり違います。
一般的に細いものは撓りやすく、太いものは撓りにくくなっています。
撓りはクイックリフトなどには最適ですがBIG3においては以下の様な影響があります。
BIG3におけるバーベルの撓りの影響※影響:高重量≧低重量
スクワット
- 担いでいるだけでバーベルが上下にグラグラ揺れてして安定しない
- ボトムでバウンドし切り返し等でフォームに変化が生じる
ベンチプレス
- 撓ることによりバーベルが胸から遠くなり可動域が広がりキツくなる
デッドリフト
- 撓りによりプレートが床から浮き始めるまで
※使用重量が重くなるほど影響が出ますが、軽ければ影響は少ないです
一方硬く撓りにくいものはBIG3には最適ですが、クイックリフトには適さないです。
28.5㎜はその中間に当たります。
※実際には同じ太さでも商品によって硬さ・撓りやすさは違うのでよく確認するようにしましょう
また実際にシャフトを握った際の感覚も結構違います。
意外と思うかもしれませんがシャフトの0.5〜1mmの差は大きいものです。
結論からすると、
- クイックリフトをガンガンやる(ウエイトリフターなど)
➞28㎜ - クイックリフトはやらずBIG3が中心(パワーリフターなど)
➞29㎜ - どっちもやりたい(一般トレーニーや他競技選手など)
➞28.5㎜
といった形になります。
基本的にウエイトリフターであれば28㎜、パワーリフターであれば29㎜で間違いありません。
予算に余裕があれば28㎜・29㎜両方購入しても良いでしょう。
ちなみに自宅でクイックリフトをやってバーベルを床に落とす場合は、それだけ床の強度が高くなければなりません。
振動や騒音も大きくなるので注意しましょう。
耐荷重量

耐荷重量とは、そのバーベルがどれだけの重量に耐えられるかということです。
バーベルは見た目に差がなくても耐荷重量には大きな差があります。
安物で強度が低いものは、耐荷重量が100kg台のものもあり、装着したウエイトプレートの総重量が耐荷重量をオーバーしてしまうとバーベルが曲がってしまうこともありとても危険です。
一方で耐荷重量の高いものは、1,500kgのものもあります。
少なくとも、将来的に自分が到達しそうなレベルを考え、使用重量がバーベルの耐荷重量をオーバーしないように選択するようにしましょう。
グリップマーク

グリップマークとはシャフトの線(ローレット加工されていない部分)のことです。
一般的にウエイトリフティング用とパワーリフティング用、二重(両方)のグリップマークの3種類に分かれます。
グリップマークの種類
- ウエイトリフティング➞中心より45.5㎝
- パワーリフティング➞中心より40.5㎝
- 二重マーク➞上記両方

特にパワーリフティングのベンチプレスでは81㎝ラインがグリップの最大幅になり重要です。
ベンチプレス競技の練習用として考えている場合はパワーリフティング用か二重マークのものを購入するようにしましょう。
※ベンチプレスは81cmライン人差し指以上グリップを広げてはいけないというルールがありますがスクワット・デッドリフトはシャフト内であれば決まりはありません
ローレットの位置・幅

ローレットとはシャフトの滑り止めとなるギザギザした部分のことです。
ローレットはシャフト全体にあるわけではありません。
バーベルによって、どの位置にローレットがあるか異なるのです。
例えばシャフトの中心部分のローレットはあるものとないものに分かれます。

この中心ローレットがないとスクワットの際、担いだバーベルが滑り落ちやすくなります。
また、ローレット加工されている幅もバーベルによって差があります。
ローレット幅が狭いと、デッドリフトなどでバーベルを握る際、自分のちょうど良い手幅の位置にローレットがない場合があります。
そうするとツルツル下部分を握るか、手幅を広げなければなりません。
競技選手の場合はローレットの位置もスリーブ間の幅と同じで、何に合わせるかが重要です。
自分の手幅には合わないけど、大会で良く使用されるローレットの位置のバーベルを選ぶということも選択肢として考えても良いでしょう。
ローレットの強さ

ローレットの強さとは、滑り止めの強さのことです。
ローレットの強さはバーベルによってかなり差があります。
安物と高品質な物では雲泥の差があります。
ローレットが強いとグリップが外れにくく、安全でトレーニングに集中できます。
ただし、その分衣類や皮膚へのダメージも多くなりやすいです。
また、強さだけでなく、握った際の感触の違いもあり好みが分かれる部分です。
高重量のデッドリフトをやるという人であればローレットの強いものを選んだ方が良いかもしれません。
しかしそうではないという人やグリップには不安がないという人は感触の方を重視しても良いかもしれません。
ただしグリップの感触については実際に握ってみないと分からないという難しさもあります。
おすすめバーベル
パワーリフティング・BIG3向けバーベル
ROGUE(ローグ)オハイオパワーバー
~IPF公認でパワーリフティング国際大会でも使用されるバーベル~
価格 | ◎ | 88,670 (税込) |
使用用途 | ※ | パワーリフティング・BIG3 |
重量 | ◎ | 20kg |
全長 | ◎ | 220㎝ |
スリーブ間の長さ | ◎ | 131㎝ |
太さ | ※ | 29㎜ |
撓りにくさ | ◎ | 非常に撓りにくい |
耐荷重量 | ◎ | 500kg超 |
グリップマーク | ※ | パワーリフティング |
センターローレット | ◎ | あり |
滑りにくさ | ◎ | 非常に滑りにくい |
メリット
- エレイコと同サイズ
- 硬く撓りにくい
- ローレットが強く滑りにくい
- 品質が高い割にリーズナブル
デメリット
- パワーリフティング・BIG3向けなのでクイックリフトには向かない
- ローレットが強いため衣類や皮膚のダメージが大きいく慣れないと手も痛い
IPF認定品でパワーリフティング国際大会でも使用されるパワーリフティングバーベルです。
バーベルはスウェーデンのエレイコのものが最も世界大会で使用されていますが、このオハイオパワーバーはエレイコのバーベルと同サイズで作られています。
硬さ、撓りにくさ等も含めエレイコのバーベルに近くかなり高品質といえます。
そして何より、高品質でありながらエレイコの半額以下で購入できるので大変魅力的なバーベルです。
ちなみにオハイオパワーバーはステンレスタイプのものも販売されているので、少し高くなりますがサビが気になるという人はそちらを選ぶと良いでしょう。
ウエイトリフティング・クイックリフト向けバーベル
調査中
多目的型バーベル
調査中
ショートスリーブバーベル
GYMWAY(ジムウェイ)ショートスリーブパワーバー
~狭いホームジムでも扱いやすい上に耐荷重680kgを誇る本格的バーベル~
価格 | ◎◎ | 44,080円(税込) |
使用用途 | ※ | パワーリフティング・BIG3 |
重量 | ◎ | 16kg |
全長 | ◎ | 190㎝ |
スリーブ間の長さ | ◎ | 131㎝ |
太さ | ※ | 29㎜ |
撓りにくさ | ◎ | 撓りにくい |
耐荷重量 | ◎ | 680kg |
グリップマーク | ※ | パワーリフティング |
センターローレット | ◎ | あり |
滑りにくさ | ◎ | 滑りにくい |
メリット
- 短く狭いホームジムでも扱いやすい
- スリーブ間の長さは一般的なものと同じ
- 安い
- 安いけど品質がかなり高い
デメリット
- スリーブ部分が短いためバンパープレートなどでは高重量が作りにくい
- 重量が16kgと中途半端なため計算が必要
スリーブ間の長さは131㎝と一般的なパワーリフティングバーベルと同じため、ワイドグリップベンチプレスやスモウデッドリフトは問題なく行うことができます。
ただしスリーブ部分は短く作られているので、分厚いバンパープレートでは高重量を作りにくくなります。
とはいえ狭いホームジムにとっては救世主的な存在です。
自分の使用重量やプレートの厚みを確認の上購入すればとても良い商品です。
ちなみにもっと短い方が良いという場合は武器屋.netさんより182㎝のバーベルが販売されています。
ただし何度も言うように短すぎると高重量が作りにくくなるので事前によく確認することをおすすめします。
まとめ
バーベルの種類の選び方
- 強度が低くても良いからできるだけ安く済ませたい
➞スタンダードシャフト - 高重量のBIG3やクイックリフトなど本格的なトレーニングをやりたい
➞オリンピックシャフト
おすすめのバーベル
バーベルは一見どれも同じに見えて品質にも差がなさそうに思う方も多いと思いますが、実際はかなりの差があります。
バーベルはトレーニングをするときに実際に身体に触れる器具であるため、トレーニングフォームにも大きく影響します。
安易に安物を選んでしまうと、自分のレベルが上がってきたときに買い替える必要性も出てくるので注意しましょう。
FAQ
- 自分にはジム通いとホームジムどちらが合っているか考える
- ホームジムを作る上での注意事項を確認する
- 部屋がホームジムに適した構造・環境か確認する
- どのようなホームジムを作るか考える
- ホームジムのレイアウトを考える
- 器具を選定する
- ラックの種類と選び方
- ベンチの種類と選び方
- バーベルの種類と選び方 ☜当ページ
- ウエイトプレートの種類と選び方 ☜次のステップ
- ダンベルの種類と選び方
- その他ホームジムにあると便利なグッズ
- 必要に応じて床の補強を行う
- 器具を設置する
- 完成
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