ホームジムに適したトレーニングベンチの選び方
トレーニングベンチとは
トレーニングベンチとは、上記のような座ったり横たわったりして使用するトレーニング用のベンチです。
ダンベルやバーベル、トレーニングラックと一緒に使用することで様々なトレーニング種目が可能となります。
特に上半身種目はベンチがあればかなりトレーニングの幅が広がります。
トレーニングベンチでできる種目
- ベンチプレス ※バーベル・トレーニングラックと組み合わせて
- ダンベルプレス ※ダンベルと組み合わせて
- ダンベルフライ ※ダンベルと組み合わせて
- ダンベルロウ ※ダンベルと組み合わせて
- ブルガリアンスクワット ※ダンベルと組み合わせて
- その他多数
トレーニングベンチの種類
※画像クリックで詳細解説へ飛べます
フラットベンチの特徴・メリット・デメリット
メリット
- 頑丈
- 繋ぎ目がない
- 安定している
- 安価
デメリット
- 角度がつけられない
- できる種目が少ない
アジャスタブルベンチと比較したメリット・デメリットを挙げてみました。
シートが地面と水平で角度調整できないベンチをフラットベンチといいます。
シンプルな構造故に頑丈で安定感が高く、価格もアジャスタブルベンチと比較すると安めです。
高重量のベンチプレスをやりたい場合などはフラットベンチの方がやり易いかと思います。
アジャスタブルベンチの特徴・メリット・デメリット
メリット
- できる種目が多い
- 様々な角度から筋肉を刺激できる
デメリット
- ガタつきやすい
- ベンチプレスがやりにくいものが多い
- シートの高さが高い物が多い
フラットベンチと比較したメリット・デメリットをまとめてみました。
バックパッド(背もたれ)やシートパッド(座面)の角度を調節できるものをアジャスタブルベンチといいます。
アジャスタブルベンチは角度調整ができるため、フラットベンチと比較してできるトレーニング種目が多くなります。
しかし、角度調整機能のためフラットベンチと比べると大きく、ガタつきがあるものも多く価格も高めです。
どちらのトレーニングベンチを選べば良いか
- パワーリフター
- ベンチプレッサー
- ベンチプレスのやり易さ重視
- ボディメイク中心のトレーニー
- 様々な種目をやってトレーニングの幅を広げたい
予算とスペースに余裕があれば両方共購入しても良いと思います。
トレーニングベンチの選び方・チェックポイント
価格
ベンチの価格は数千円~数万円と幅広くなっています。
安物は安いなりの理由があります。
特に安物は強度が弱く耐荷重量が低い場合が多いので注意です。
また基本的にはフラットベンチよりもアジャスタブルベンチの方が複雑な構造のため高価になります。
サイズ(幅×長さ×高さ)
シートの大きさとベンチの高さはとても重要です。
サイズはトレーニングのフォームややり易さに大きく影響します。
特に横幅は重要で、狭いとベンチプレスなどのときに安定感が低くなります。
※ただし横幅が狭い方がベンチプレスやダンベルプレス、ダンベルフライなどで肩甲骨を大きく動かしやすく、可動域を大きく取り大胸筋をストレッチし易いという考え方もあります
高さについても、高過ぎると足が床に着きにくく、足で踏ん張りにくく力も入りませんしバランスも崩しやすくなってしまいます。
長さについては、寝たときに頭部から殿部までがしっかりとシートに収まれば問題ないでしょう。
ちなみにアジャスタブルベンチは背もたれ部分が短く、頭がはみ出てしまうものもあるので注意しましょう。
パワーリフターやベンチプレッサーであれば、以下のようなパワーリフティングの大会規格のサイズのベンチを選択することをおすすめします。
リフターでない人は自分がトレーニングをやり易いサイズにすれば良いですが、分からない場合や迷った場合はパワーリフティング大会規格のものを選んでおけば間違いないでしょう。
ちなみに安物は大会規格と大きく違い、使いにくいものが多いので注意しましょう。
本体重量
本体重量は、ホームジムに導入する器具の総重量を計算する上で必要な情報になります。
器具の総重量と床の強度によっては補強が必要になる場合があるのでチェックするようにしましょう。
耐荷重量
耐荷重量とはそのベンチがどれぐらいの重量まで耐えられるかという目安です。
※実際のテストでは表示されている重量より重い重量でテストされていることが多いです
ベンチプレスをやる人は耐荷重量に注意しましょう。
余程の高重量のベンチプレスをやらない限りはそれなりの耐荷重量であれば問題ありません。
しかし、よく確認しておかないと安物の中には耐荷重量が低いものも多いので気を付けなければなりません。
耐荷重量の低いベンチで高重量を扱うトレーニングをすると、ガタつきが出やすかったり最悪トレーニング中に壊れて事故に発展するリスクがあります。
脚の形状
脚の形状とは、ベンチの足元側の脚の形のことです。
一般的に⊥のような形状になっているものが多いのですが、⊥だと横に広がった部分が邪魔で足を着く位置に制限が掛かるので踏ん張りにくくなります。
一方でIの形状だと邪魔にならないので自分の好きな位置に足を置くことができます。
基本的にはI字型のものを選ぶことをおすすめします。
ちなみにI字型のものを選ぶというだけでかなり選択肢は絞られてくると思います。
尚ベンチプレス時の足のスタンスが広い人は気にしなくても構いません。
シートの硬さ
シートの硬さは柔らかいものと硬いもので差があります。
柔らかいものだと、ベンチプレスのときに肩がシートにめり込むような形になり、ちょっぴりデクライン気味になります。
そのため、硬いシートと比べて重量も上がりやすくなります。
また肩のホールド感も強く若干痛めにくくなるでしょう。
ここまでの話だとシートは柔らかいものの方が良さそうに感じるかもしれませんがパワーリフターの場合は注意が必要です。
なぜならパワーリフティングの大会ではベンチプレスのやりやすい柔らかいシートが使用されるとは限らないからです。
普段の練習では柔らかいシートでやっていたのに大会では硬いシートだったら感覚に違いがあり対応が難しく重量が落ちてしまうかもしれません。
あえて硬めのシートを選ぶということも視野に入れても良いかもしれません。
余計なものが付いていないか
よくレッグエクステンションやシットアップができるようにバーが付いているベンチがありますがおすすめしません。
余計なアタッチメントは使いにくいものが多く、最終的には邪魔に感じるようになるのがオチです。
余計なものがついていないシンプルでしっかりしたものの方がおすすめです。
最近では後付けのアタッチメントがあるのでそちらの方がおすすめです。
後付けであれば使用しないときは外せるのでベンチプレスの時などに邪魔になりません。
シートの滑りにくさ
ベンチのシートが滑りやすいとベンチプレスの時などに、滑って体の位置がズレてフォームの乱れに繋がる可能性があります。特にレップ数が多くなったり汗をかいたりすると余計に危険です。
ベンチのシートは滑りやすいものもあればグリップが良く滑りにくいものもあります。
滑りやすいものであれば滑り止めシートを敷いたり肩に滑り止め加工の付いたTシャツを着用したりという対策もできますが、できればはじめから滑りにくいベンチを購入したいところです。
ただし滑りにく過ぎてベンチプレス時にポジションを決めるのに手こずることもあります。特に身体を滑らせながらベンチプレスのポジションをセッティングするタイプの人は、滑らないベンチだとセッティングがやりにくく感じる可能性もあります。
またパワーリフティングの大会に出場する人は、大会で使用されるコンボラックのベンチと普段使用しているベンチで滑り具合のギャップを感じる可能性もあるため注意しましょう。
立てて収納できるか
最近のベンチでは立てて収納できる製品が増えてきています。
スペースが限られているホームジムでは、立てて収納できるかどうかは超重要事項です。
ベンチも使わないときは邪魔になります。そんな時にベンチを立てて収納できればとても狭いスペースでコンパクトに収納することが可能です。
今となってはホームジムにとって立てて収納できることは必須事項と言ってもいいでしょう。
※フラットベンチだけでなく、アジャスタブルベンチも立てて収納できる製品があります
バックパッド(背もたれ)の高さは十分か※アジャスタブルベンチ
バックパッド(背もたれ)の高さが低いと、インクラインで使用した際に頭がはみ出てしまいます。
頭がはみ出ると安定感が損なわれるので、バックパッドはしっかりと頭部まで支えられる長さか確認するようにしましょう。
またホームジムでの使用の場合、無駄に長すぎるのもスペースを圧迫してしまうので良くありません。自分の体格に合ったサイズを選択することが重要です。
移動のしやすさ
スペースが限られているホームジムでは、取り回しの良さは重要項目です。
軽いフラットベンチなどであれば、持ち上げて移動したり向きを変えることが可能です。しかし重いアジャスタブルベンチなどでは、持ち上げて移動するのがとても大変で現実的ではありません。
その場合、移動を考慮してハンドルやキャスターがついているかどうかが大切です。
重量のあるベンチでもハンドルとキャスターが付いていれば移動の負担も軽減されます。
バックパッドとシートパッドの隙間は広すぎないか※アジャスタブルベンチ
バックパッド(背もたれ)とシートパッド(座面)の隙間が開き過ぎていると、フラットで使用した際に殿部が隙間に落ちてしまう場合があります。
フラットでも使用することを考えている場合は注意しましょう。
土台はシートを端から端まで支えられるか※アジャスタブルベンチ
アジャスタブルベンチによっては、土台部分がシートよりもかなり短くなっているものがあります。
土台部分が短いとフラットベンチとして使用した際、バックパッド(背もたれ)上部に荷重を掛けたときにベンチが傾いてしまい危険です。
特にフラットにしてブリッジを組み高重量のベンチプレスをやるという人は要注意です。
おすすめベンチ
フラットベンチ
MBCコンペティションフラットベンチ
~パワーリフティング公式規格のベンチプレスがやりやすいベンチ~
価格 | ◎ | 28,150(税込み) |
サイズ | ◎ | 全高44㎝×全長130㎝×全幅61㎝ |
シートサイズ | ◎ | 長さ120㎝×幅31.5㎝ |
本体重量 | ◎ | 29kg |
耐荷重量 | ◎ | 500kg |
脚の形状 | ◎ | ストレート |
シートの硬さ | ○ | 10㎝厚ファットパッド |
余計な付属品 | ◎ | なし |
メリット
- パワーリフティング公式規格サイズ
- 高品質低価格
- 頑丈なのに軽い
- 立てて収納できる
- ベンチプレスがやり易く肩に優しい
デメリット
- シートの柔らかさは考慮が必要
MBC POWER SHOPさんより販売されているオリジナルフラットベンチです。
パワーリフティング公式規格で作られているため、ベンチプレスがやりやすいベンチとなっています。
公式規格に合致するフラットベンチは少ないためとても貴重なベンチといえます。
本体重量がかなり軽いのに耐荷重量も高く、かなり完成度も高くなっています。
立てて収納することもでき、狭いホームジムでは大きな魅力です。
1つだけ注意したいのはシートの柔らかさです。
10㎝厚のファットパッドとなっているため、肩に優しくベンチもやり易くなっています。
しかしパワーリフティングの世界大会などでよく使用されるELEIKOのベンチは硬めです。
パワーリフターやベンチプレッサーの方はその点は考慮した方が良いでしょう。
アジャスタブルベンチ
MBCアジャスタブルベンチ コンパクト
~パワーリフティング公式規格のベンチプレスがやりやすいインクラインベンチ~
価格 | ◎ | 42,900円(税込) |
サイズ | ◎ | 全高44㎝×全長129㎝×全幅51㎝ |
シートサイズ | ◎ | 高さ(フラット時)44cm×長さ(バックパッド90cm+隙間3.6cm+シートパッド32cm)×幅30.5㎝ |
本体重量 | ◎ | 35kg |
耐荷重量 | ◎ | 500kg |
脚の形状 | ◎ | ストレート |
シートの厚さ | ○ | 6.5㎝ |
シート調整段階 | ○ | フロントパッド:3段階(調整角度0°/15°/30°) バックパッド:10段階(調整角度0°/15°/30°/37.5°/45°/52.5°/60°/67.5°/75°/85°) |
余計な付属品 | ◎ | なし |
メリット
- パワーリフティング公式規格サイズ
- 超高強度
- 立てて収納できる
- シート間の隙間が狭くフラットでも違和感なく使用できる
- ベンチプレスがやり易い
- 滑りにくい
デメリット
- 190cm以上の高身長の人には小さめ
- デクラインはできない
MBC POWER SHOPさんより販売されているオリジナルアジャスタブルベンチです。
アジャスタブルベンチとしては非常に珍しくパワーリフティング公式規格で作られているため、ベンチプレスがやりやすいベンチとなっています。
またシート間の隙間が僅か3.6cmと狭くなっているため、フラットベンチとして使用したときも違和感がなさそうです。
立てて収納することができるのは狭いホームジムでは大きな魅力でしょう。
脚の形状がストレートでベンチプレスの足のスタンスが狭い人も問題なく使用できます。
またこちらのベンチはコンパクトに設計されている上に立てて収納できるためホームジムには持ってこいです。
それでありながら、ベンチプレスの競技練習にも対応できるベンチなので文句の付けようがないベンチといえます。
全ベンチの中でもファーストチョイスのベンチと言えるかもしれません。
まとめ
フラットベンチ・アジャスタブルベンチの選び方
- パワーリフターやベンチプレッサーでベンチプレスのやり易さ重視
➡フラットベンチ - 様々な種目を行いトレーニングの幅を広げたい
➡アジャスタブルベンチ
おすすめベンチ
- フラットベンチ
【MBCコンペティションフラットベンチ】
- アジャスタブルベンチ
【MBCアジャスタブルベンチ コンパクト】
ベンチがあればダンベルやバーベル、ラックと合わせて様々な種目が可能となります。
様々なベンチが出回っていますが、当チェックリストを元に探していけばかなり選択肢が絞られるかと思います。
安易に安物のベンチを購入してしまうと使いにくい上に処分も大変なので後悔することになるので注意しましょう。
FAQ
- 自分にはジム通いとホームジムどちらが合っているか考える
- ホームジムを作る上での注意事項を確認する
- 部屋がホームジムに適した構造・環境か確認する
- どのようなホームジムを作るか考える
- ホームジムのレイアウトを考える
- 器具を選定する
- ラックの種類と選び方
- ベンチの種類と選び方 ☜当ページ
- バーベルの種類と選び方 ☜次のステップ
- ウエイトプレートの種類と選び方
- ダンベルの種類と選び方
- その他ホームジムにあると便利なグッズ
- 必要に応じて床の補強を行う
- 器具を設置する
- 完成
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